「モノからの発想」と「コトからの発想」
UX HIROSHIMA #02、#03 開催
2/28、3/1にUX HIROSHIMAのセミナーに参加してまいりました
参加者は15名ほど(運営の方々含む)。講師の方は前回に引き続き浅野先生でした。
今回のワークショップはwebサイトを通してUXを考える内容だったので、Webディレクター・デザイナー系の方が多かったように感じました。前回のUX HIROSHIMA #01に参加されていた方が半数くらい占めていたので、UXは一度学ぶととことん追求したくなるような面白さがあるのかもしれません。
#02 UX概論
本来なら前回のカスタマージャーニーマップのワークショップの前に概論をやるはずだったようなのですが、今回改めてUX概論の講義を行いました。
前回のワークショップレポートはこちら→UXのセミナーがありました - daidailog
ユーザーエクスペリエンスとはユーザーが製品やサービスの購入、利用、所有などの一連の体験を通して感じることのできる「気持ちいい」、「嬉しい」、「面白い」といった感情であり、ユーザビリティよりさらに大きい概念なのだそうです。
UXの例としてスターバックスの話が出ましたが、スタバの強みはコーヒーではなくサードプレイス(居心地のいいゆるい人間関係)を提供しているという事であり、ユーザーの生活スタイルにうまくあてはめることのできるコンテキストを提供するのがUXデザインで重要だそうです。
商品の品質が均一化してきた現代の社会ではサービスが良くないとモノは売れないので、ユーザーのプライベートな行動や価値観を知らなくてはなりません。それをHCD(人間中心設計)のプロセスを基にワークショップを通して学んで行きましょうという事でした。
ミニワークショップ
まず最初に各自用紙を渡され「花瓶を描いてください」というお題から始まり花瓶を好きなように描いた後、次に家族や一緒に住んでいる人をイメージし、どういった目的で花を飾るかその目的や置く場所も考えた上でシチュエーションを描くという事をしました。
花瓶からデザインすると自分の好みが優先されたモノに仕上がるが、自分以外の親しい人の事をイメージするとその人のライフスタイルに合わせたモノができます。UXにはモノからの発想ではなく、コトからの発想が重要だと考えさせられるワークショップでした。
#03 ユーザー評価
2日目は朝10時から18時までみっちりワークショップでした。
今回の課題は、市役所のサイトを使ったユーザー評価。課題説明のあと決められたwebサイトをじっくり使い込み、コンテンツの把握、サイト内でできること、どのような情報があるかといったサイト内の情報を調べていきます(ここは前日に各自で調べてくるように言われてました)。
今回のワークショップ内容
- シナリオとタスクを考える(今回ペルソナは自前に用意)
- パイロットテスト
- 実査(被験者を選んで観察)
- 終了後インタビュー
- 観察結果のブレスト
- プレゼン、講評
ユーザー評価は今回初めて取り組む内容であり、シナリオ、タスクといった課題の意味を把握するので精一杯なところがありました。ワークショップは時間内に終わらせることが大事なのですが、悩めば悩むほど意見がまとまらず苦戦しました。
以下、ワークショップで感じたポイント
シナリオとタスク
アクティビティシナリオは被験者に提示するタスクであり、小説のように丁寧に利用者状況の描写を心がけることが求めらる。UI用語を使わないよう気をつけてはいたもののweb系の仕事をしているせいか、開発者目線のシナリオになりやすい。
実査
タスク実行してもらう前に被験者の滑舌をよくするために何か声を出して読ませること。思った事を口に出してもらうためモデレーターが発話を促さないといけないが、タイミングが難しい。
分析
観察して気づいたエラーや被験者の発話をポストイットでまとめる。エラーの箇所ごとで解決方法を考えるのではなく、全体を見て問題が集中した部分に対して改善策を考える。
「モノからの発想」と「コトからの発想」
webサイトを制作するとき、誰をターゲットにするかある程度しぼっていたけど、「モノからの発想」に頼っていた気がします。「コトからの発想」へシフトするためにはユーザーの背景を探っていかなければなりません。プライベートな人の行動や価値観ってぼんやりイメージ出来るけど、いざシナリオにしてみると難しかったです。ユーザーが実際使って問題が明らかになる事もあるし。
サービスは作って終わりではなく、作ってからが始まりなのかも。